真倉村 郡村誌

 現在の舞鶴市真倉(マグラ)。明治17年当時、戸数 89戸、社3戸、寺1戸、総計93戸、人数 男214口、女226口、総計440口。

・出典 京都府地誌32~35加佐郡村誌1~4、京都府庁文書、京都府立京都学・歴彩館所蔵

    村誌

丹後国加佐郡真倉(マクラ)村

本村往古田造郷ノ内ニシテ中筋ノ庄八ヶ村ノ部内タリ、尓後分合変換ナシ

●疆域  東ハ同郡堀村ニ界シ、西ハ城屋村ニ界シ、各山嶺ヲ劃リ、南ハ丹波国何鹿郡黒谷村ト字ハシ谷ヲ以テ界シ、北ハ本郡京田村ト耕地ヲ接シ、又十倉村ト山ヲ隔テ、西南ハ何鹿郡奥黒谷村、東南ハ同郡於與岐村ト共ニ山嶺ヲ限ル

●幅員 東西十九町六間、南北二十五町十間、面積欠ク

●管轄沿革 円満寺村誌ニ同シ

●里程 京都府庁ヨリ西北方本村元標ニ達スル凡二十二里十町、宮津支庁ヨリ東南方凡八里半、四隣南丹波国何鹿郡黒谷村界ヘ十二町五十間、北本郡京田村ヘ一里一町十八間

●地勢 四面連山重沓中部低窪、伊佐津川坤ヨリ艮ニ貫ク、人家ハ多ク川ノ両岸ニ点在ス、運輸梢便薪炭乏シカラス

●地味 黄色砂礫ヲ交ヘ、其質中等ニシテ較稲粱ニ適ス、水利便ニシテ旱害ナキモ時々水患アリ

●税地 田<弐拾五町壱反壱畝弐拾七歩>、畑<九町八反三畝四歩>、宅地<三町壱反弐畝弐拾五歩>、山<反別欠ク>、薮地<三反四畝九歩>、総計<三拾八町四反弐畝五歩、外荒地弐町三畝弐拾九歩>

●字地 下近(シモツチカ)<村ノ北ニアリ、伊佐津川西岸ニ沿フ、東西三十八間、南北二町四十間>、木森<同上、川東ニ沿フ、東西一町十間、南北二町二十五間>、橋谷<村ノ南方川西ニ沿フ、東西六町四十五間、南北十二間>、以上著名ノ字ヲ挙ク余ハ略ス

●貢租 地租<金三百五円拾壱銭壱厘>、山税<金六円弐拾銭九厘>、総計<金三百拾壱円三拾弐銭>

●戸数 本籍八十九戸<平民>、社三戸<村社一座、無格社ニ座>、寺一戸<禅宗>、総計九十三戸

●人数 男二百十四口<平民>、女二百二十六口<平民>、総計四百四十口

●牛馬 牝牛十八頭

●山 天山<高五十六丈四尺、周回欠ク、村ノ北ニアリ、頂上ヨリ四分シ、北ハ十倉村ニ属シ、西北ハ女布村ニ属シ、西ハ城屋村ニ属シ、余ハ本村ニ属ス、山脈西南方城屋村日浦山ニ連ル、全山榛莽ヲ生スルノミ、登路数条アリ、一ハ村ノ西北方字下近ヨリ上ル昇リ十五町、余ハ皆他村ニ係ル、渓水一条、同上山間ヨリ発シ字下近ニ至リ伊佐津川ニ注ク、巾一間、深五寸、長欠ク>、葬谷(サウタニ)山<高六十七丈八尺、周回欠ク、村ノ東南ニアリ、全山本村ニ属ス、山脈東方何鹿郡於与岐村山ニ連ル、樹木茂生ス、登路二条、一ハ本村字下ノ段ヨリ上ル昇リ七町四十四間、易ナリ、一ハ字葬谷ヨリ上ル昇リ四町三十間、易ナリ>

●川 伊佐津川<深所二尺、浅所一尺許、広所十五間、狭所十一間、清ニシテ緩ナリ、村ノ南方何鹿郡黒谷村界ヨリ東北方本郡京田村界ニ入ル、長一里四十間>、一ノ瀬橋<京道ニ属ス、架シテ村ノ南方伊佐津川上流ニアリ、橋長十六間、巾五尺、木製>、渡リ瀬橋<同上、架シテ村ノ北方伊佐津川下流ニアリ、橋長十一間、巾四尺、木製ナリ>

●道路 京道<村ノ北方京田村界ヨリ来リ南方何鹿郡黒谷村界ニ至ル、長一里四十二間、巾通シテ二間>、旧京道<村ノ東北字四十田ヨリ起リ字大山ニ至ル、長九町四十九間、巾四尺>

●堤塘 伊佐津川堤<伊佐津川ニ沿ヒ京道ヲ兼ヌ、村ノ北方字渡リ瀬ヨリ起リ東北方京田村界ニ至ル、長二十町二十七間、馬踏一間、堤敷三間、修繕費用ハ官民両途ニ属ス>

瀧 稚児(チゴガ)瀧<高二尺、巾五尺、橋谷山ヨリ出ツ、村ノ西方橋谷ニ落ツ、下流伊佐津川ニ入ル>

●社 上壇(ジョウダン)神社<村社々地、東西四間、南北二十間、面積八十坪、村ノ西ニアリ、大産霊神・輿津比古神・興津比賣神ヲ祭ル、祭日十一月三日、境内末社一座アリ>、須賀神社<社地東西九間、南北十間、面積十坪、村ノ北ニアリ、素盞鳴命ヲ祭ル、祭日七月三日>、大森神社<社地四覆欠ク、面積十坪余、本村字大森ニアリ、久々能智神ヲ祭ル、創立年紀及ヒ祭日詳ナラス>

●寺 善通寺<境内東西八間、南北二十間、面積百六十五坪、村ノ西南ニアリ、禅宗、舞鶴紺屋町桂林寺末、承應元年壬辰正月、僧鑑鷟開基創建ス>

●物産 櫨実<五百貫目>、楮皮<二百貫目>、製紙<四百二十束余>、以上舞鶴市街ヘ販売ス

●民業 男女悉ク農ヲ業トシ傍ラ製紙ス

関連する歴史の人物

関連する人物はいません。