現在の福知山市大江町千原 (センバラ)。明治17年当時、戸数 64戸、社1戸、総計65戸、人数 男153口、女156口、総計309口。
・出典 京都府地誌32~35加佐郡村誌1~4、京都府庁文書、京都府立京都学・歴彩館所蔵
村誌
丹後国加佐郡千原(チバラ)村
本村往古有道郷ニ属ス、前後分合変換ナシ<風土記川守郷条下ニ云、往昔、日子坐王逐土蜘陸耳匹女等(クカミヒキメラヲ)、而到于蟻道郷之血原、先殺土蜘匹女(ヒキメ)也、故云其地血原也トアリ>
●疆域 東ハ同郡南有路村及ヒ丹波国何鹿郡西坂村ト山林ヲ以テ界シ、西南ハ本郡尾藤村ト山林及ヒ耕地ヲ以テ界シ、北方一面ハ大雲川中央ヲ以テ河守町・波美村ト相対ス
●幅員 東西凡三十五町、南北凡八町、面積欠ク
●管轄沿革 円満寺村誌ニ同シ
●里程 京都府庁ヨリ西北方本村元標ニ達スル凡二十三里余、宮津支庁ヨリ南方凡六里十七町、四隣東南有路村へ二十町四十三間五分<実測>、西尾藤村ヘ十六町五十七間<実測>、南丹波国何鹿郡西坂村界へ十五町二十七間<実測>、北本郡河守町へ十三町、波美村ヘ十二町
●地勢 東南山岳囲繞シ北方一帯大雲川ヲ通ス、運輸便利薪炭乏シ
●地味 其色黒、其質下等、稲・粱ニ適セスシテ桑・藍ニ宜シ、水利ハ不便ニシテ時々水損・旱害アリ
●税地 田<九町弐反四畝拾九歩>、畑<三拾壱町弐畝歩>、宅地<壱町九反三畝七歩>、山<反別欠ク>、薮地<弐町四畝拾弐歩>、沼<三反五畝六歩>、総計<四拾四町五反九畝拾四歩、外荒地壱町七畝弐歩>
●飛地 本村南方尾藤村ノ内、田<三町九畝拾六歩>、畑<弐反壱畝弐拾歩>、山林<五反九畝拾弐歩>、西南方常津村ノ内、畑<七畝拾歩>
●字地 ヲクシミズ<村ノ東ニアリ、東西五町三十五間、南北十間>、コダキ<村ノ東ヨリ西ニ連ナル、東西五町十間、南北二十七間>、モチノベ<同上、東西四町五十五間、南北二十二間>、江口<同上、東西五町十間、南北三十三間>、タグチ<村ノ東ヨリ南ニ連ル、東西二町、南北二町三十間>、下嶋<村ノ東ヨリ西ニ連ル、下同シ、東西五町、南北一町十五間>、大坂<東西二町、南北一町十間>、下ヶ岡<東西二町五十間、南北二町二十間>、小田岡<村ノ中央民宅地ヲ云フ、東西五十七間、南北二町三十間>、柳原<村ノ東北ヨリ西ニ連ル、東西二町四十三間、南北一町四十六間>、中岡<村ノ中央民宅地ヲ云フ、東西一町四十三間、南北一町四十八間>、上ヶ岡<同上、東西二町二十二間、南北一町三十五間>、五間割<村ノ北ニアリ、東西二町三十間、南北二町四十間>、中割<同上、東西三町二十間、南北二町七間>、北南<同上、東西一町十間、南北一町>、上嶋<村ノ西ニアリ、東西一町、南北一町二十間>、家下<村ノ北ニアリ、東西五町五十五間、南北十間>
●貢租 地租<金弐百八拾六円六拾三銭九厘>、山税<金四拾八銭六厘>、国税<金六拾銭>、総計<金弐百八拾七円七拾弐銭五厘>
●戸数 本籍六十四戸<平民>、社一戸<無格社>、総計六十五戸
●人数 男百五十三口<平民>、女百五十六口<平民>、総計三百九口
●牛馬 牡牛九頭、牝牛十頭、総計十九頭
●舟車 日本形舩五艘<五拾石未満農業舩三艘、漁舩二艘>
●山 部内山岳重畳スト雖一帯山脈ニシテ特ニ表出スへキナシ、因テ略ス
●川 大雲川<二等河ニ属ス、深所一丈、浅所一尺三寸、広所七十間、狭所四十間、清ニシテ緩、舟筏日ニ通ス、村ノ西方尾藤村界ヨリ来リ、本村北境ヲ過キ東方南有路村界ニ入ル、長十四町三十間>、千原渡<村道ニ属ス、深所一丈、浅所一尺三寸、広所七十間、狭所四十間、本村北方大雲川ニアリ、渡舩一艘私渡ナリ>
●湖沼 家下沼<東西五十一間、南北六間、周回一町五十二間、本村ノ北ニアリ、村内ノ用水トス、下同シ>、北南沼<東西四十二間、南北七間、周回一町二十九間、本村ノ北ニアリ>
●道路 村道<村ノ東北方南有路村界ヨリ西方尾藤村界ニ至ル、長欠ク、巾一間、東方字江口ヨリ南ニ折レ丹波国何鹿郡西坂村ニ通ス、又北方字家下ヨリ北ニ折レ河守町ニ通スル、両支道アリ>
●掲示場<本村東口ヨリ十六町ニアリ>
●社 小田岡神社<社地東西九間、南北十二間、面積百十七坪、村ノ南方字小田岡ニアリ、造化三柱大神ヲ祭ル、勧請年紀詳ナラス、里俗相伝フ、往昔皇産霊神社ト称セシヲ、何ノ頃カ今ノ称ニ更ム、祭日十一月七日>
●物産 藍<二千貫目>、桑<三万貫目>、繭<一千貫目>、以上多クハ本郡河守郷・舞鶴市街ニ輸出ス
●民業 男<農ヲ業トスル者四十二戸、商業十二戸、日雇稼スル者七戸、漁業三戸>、女<各夫業ニ従フ>