日藤村 郡村誌

現在の福知山市大江町日藤(ヒトウ)。明治17年当時、戸数 15戸、社1戸、計16戸、人数 男34口、女40口、総計74口。

・出典 京都府地誌32~35加佐郡村誌1~4、京都府庁文書、京都府立京都学・歴彩館所蔵

      村誌

丹後國加佐郡日藤(ヒフヂ)村

本村古来ヨリ河守郷ニ属ス、前後分合変換ナシ

●疆域  東ハ同郡夏間村ト大雲川中央ヲ以テ境シ、西ハ丹波國天田郡一尾村ニ隣リ及ヒ同郡長尾村ト山嶺ヲ以テ界シ、南ハ同郡下天津村ト山岳又ハ耕地ヲ以テ界シ、北ハ本郡公庄村ト山岳ヲ以テ界ス

●幅員 東西凡八町十一間、南北十町二十二間、面積欠ク

●管轄沿革 佛性寺村誌ニ同シ

●里程 京都府庁ヨリ西北方本村元標ニ達スル凡二十三里余、宮津支庁ヨリ南方凡七里、四隣東夏間村ヘ十一町、西天田郡一尾村ヘ八町二十二間、南下天津村界ヘ一丁七間<実測>、北本郡公庄村ヘ十一町六間<実測>

●地勢 環境皆山ニシテ東方僅ニ大雲川ヲ通ス、部内モ亦岡陵起伏シ平坦ノ地ハ極テ稀ナリ、運輸不便薪炭乏シ

●地味 其色赤、其質下等、稲禾ニ適セスシテ甘藷及ヒ大豆ニ適ス、水利ハ不便ニシテ時々水害アリ

●税地 田<三丁六反九畝三歩>、畑<三丁九反九畝弐拾六歩>、宅地<四反壱畝拾五歩>、山<反別欠ク>、藪地<四畝歩>、総計<八丁壱反四畝拾四歩、外荒地弐反八畝拾五歩>

●字地 堺川<村ノ東ニアリ、東西二丁四十五間、南北四丁五間>、尾道<村ノ南ニアリ、東西四丁三十間、南北二丁八間>、楠谷<村ノ東ニアリ、東西六丁四十間、南北二丁五十間>、段<村ノ西ニアリ、下同シ、東西七丁二十間、南北三丁二十七間>、赤尾<東西三丁五十間、南北七丁二十間>、峠<村ノ北ニアリ、東西三丁五十四間、南北五丁二十間>

●貢租 地租<金三拾五円六拾五銭八厘>、山税<金弐銭弐厘>、国税<金廿銭>、総計<金三拾五円八拾八銭>

●戸数 本籍十五戸<平民>、社一戸<村社>、総計十六戸

●人数 男三十四口<平民>、女四十口<平民>、総計七十四口

●牛馬 牝牛六頭、牡馬一頭

●舟車 日本形舩一艘<五十石未満漁舩>

●山 部内山岳囲繞スレトモ一帯山脈ニシテ特ニ名状シテ表出スヘキナシ、因テ略ス

●川 大雲川<二等河ニ属ス、深所八尺、浅所四尺、広所四十二間、狭所二十間、清ニシテ緩、舟筏日々通ス、村ノ南方丹波國天田郡下天津村界ヨリ来リ北方公庄村界ニ至ル、長二丁五十間>、楠谷川<源ヲ本村字赤尾ノ山間ヨリ発シ東流シ公庄村界ニ入ル、長三丁三十五間、巾五尺、田壱丁三反壱畝弐拾三歩ノ養水トス、平時水ナク霖雨ノ際暴漲ス>、堺川橋<宮津道ニ属ス、架シテ村ノ東方楠谷川ノ下流ニアリ、長二間半、巾一間半、土造>、段ノ溝<源ヲ字段ヨリ発シ北ニ趣キ楠谷川ニ入ル、長三町三十五間、巾三尺、田五反三畝拾三歩ノ養水トス>、峠溝<源ヲ字峠ヨリ発シ南流シ楠谷川ニ入ル、長六丁十間、巾三尺、田六反壱畝拾六歩ノ養水トス>

●道路 宮津道<村ノ南方丹波國天田郡下天津村界ヨリ北方本郡公庄村界ニ至ル、長二丁五十一間、巾一間半>、一尾往還<本村東方字堺川ヨリ西ニ折レ天田郡一尾村ニ至ル、長九丁十八間、巾四尺>

●社 稲荷神社<村社々地、東西十五間、南北八間、面積百三十七坪、村ノ西字段ニアリ、倉稲魂命ヲ祭ル、古来ノ沿革詳ナラス、祭日九月十三日、境内末社一座アリ>

●物産 甘藷<百貫目>、楮皮<二百貫目>、以上本郡河守町ニ輸送ス

●民業 男<農・桑ヲ業トスルモノ七戸、農ニシテ商ヲ兼ヌル者四戸、漁猟ヲ業トスル者一戸、工業二戸、日雇稼ヲスルモノ二戸>、女<農・桑ヲ業トスル者十五人、農ニシテ製糸ヲ兼ヌル者二人>

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