現在の舞鶴市八田(ハッタ)。明治17年当時、戸数 52戸、社1戸、総計53戸、人数 男117口、女92口、総計209口。
・出典 京都府地誌32~35加佐郡村誌1~4、京都府庁文書、京都府立京都学・歴彩館所蔵
村誌
丹後國加佐郡八田(ハツタ)村
本村往古凡海郷ノ属ニシテ由良荘ノ部内ニアリ、里老云、八戸地村ト一村タリシニ、延享中分離スト
●彊域 東ハ大雲川中央ヲ以テ同郡三日市村・上東村ニ界シ、西ハ八戸地村ト字シヨズ山ヲ以テ界シ、南ハ大川村ト耕地ヲ以テ界シ、北ハ丸田村・八戸地村ト山ヲ以テ界ス
●幅員 東西凡二町二十五間許、南北凡三十六町六間許、面積欠ク
●管轄沿革 円満寺村誌ニ同シ
●里程 京都府庁ヨリ西北方本村元標ニ達スル凡二十五里三十四町五十六間、宮津支庁ヨリ東南方凡五里、四隣南大川村ヘ十二町九間<実測>、西八戸地村ヘ凡十八町五十六間、北丸田村ヘ凡三町五十六間、東上東村ヘ凡十町
●地勢 東西ニ縮リ、南北ニ長シ、全部山地多クシテ耕田少シ、大雲川其東南ヲ環流シ、民居其傍辺ニアリ、運輸便利薪炭乏シ
●地味 淡黒色中等質タリ、稲梁ニ宜シク桑・茶ニ可ナラス、水利不便ニシテ時々旱害アリ>
●税地 田<弐拾町弐反七歩>、畑<九町八反弐畝拾七歩>、宅地<壱町四反九畝三歩>、山<反別欠ク>、藪地<四反九畝弐拾四歩>、総計<三拾弐町壱畝弐拾壱歩、外荒地弐畝拾歩>
●字地 渚(ナキサ)<村ノ南ニアリ、東西一町、南北二十間>、髙畑<同上、東西四十六間、南北五十五間>、上中野(カミナカノ)<同上、東西四十七間、南北一町五十五間>、以房(イボウ)<同上、東西五十五間、南北一町三十九間>、以上著名ノ字ヲ挙ク余ハ略ス
●貢租 地租<金四百五拾壱円六拾六銭七厘>、山税<金壱円弐拾壱銭壱厘>、総計<金四百五拾弐円八拾七銭八厘>
●戸数 本籍五十二戸<平民>、社一戸<村社>、総計五十三戸
●人数 男百十七口<平民>、女九十二口<平民>、総計二百九口
●牛馬 牡牛一頭、牝牛五頭、総計六頭
●舟車 日本形舩一艘<五十石未満渡舩>
●山 部内山岳多ケレトモ、一山脈ニシテ特ニ表出スヘキナシ、因テ略ス
●川 大雲川<二等川ニ属ス、深所一丈、浅所三尺、巾七十間、清水緩流、舩筏日ニ通ス、西南方大川村界ヨリ来リ東北方丸田村界ニ入ル、長九町二十間>、八田川<西方八戸地村界ヨリ来リ、村内所々ノ諸水ヲ合セ大雲川ニ入ル、長三十町許、巾一間、田反別拾五町九反五畝歩ノ用水ニ供ス>、藤津渡<村往還ニ属ス、本村ヨリ七町、深所一丈、浅所三尺、巾七十間、本村東南方大雲川上流ニアリ、渡舩一艘私渡ナリ>、土橋二基<共ニ村往還ニ属ス、一ハ架シテ村ノ南方八田川上流ニアリ、長二間半、巾五尺、一ハ架シテ村ノ南方八田川下流ニアリ、長二間半、巾五尺>、江溝<源ヲ字ゴゼ谷ヨリ起シ、東南ニ趣キ大雲川ニ入ル、長三町五十三間、巾三尺、田四町弐反五畝七歩ノ養水ニ供ス>
●道路 村道<村ノ北方丸田村界ヨリ南方八戸地村界ニ至ル、長十一町二十四間、巾一間、本村中央字家下ヨリ左ニ折レ上東村ニ通スル支道アリ>
●堤塘 八田堤<八田川ニ沿ヒ、村ノ南方八戸地村界ヨリ北方本村中央ニ至ル、長六町三十間、馬踏四尺、堤敷二間>
●社 松尾社<村社々地、東西十五間、南北九間、面積百三十五坪、村ノ西北ニアリ、大山咋命ヲ祭ル、古来ノ沿革詳ナラス、祭日九月十三日、境内末社三座アリ>
●学校 人民共立小学校一所<村ノ南方字石ニアリ、生徒男八十四人、女十人>
●物産 繭<二百二十五貫目>、櫨実<九百十貫目>、以上舞寉市街ヘ輸送ス
●民業 男<農ヲ業トスル者十二戸、農・・ニシテ養蚕ヲ兼ヌル者四十戸>、女<農ヲ業トスル者五十人、内養蚕ヲ兼ヌル者四十人>