現在の舞鶴市布敷(ヌノシキ)。明治17年当時、戸数 46戸、社3戸、総計49戸、人数 男82口、女89口、総計171口。
・出典 京都府地誌32~35加佐郡村誌1~4、京都府庁文書、京都府立京都学・歴彩館所蔵
村誌
丹後國加佐郡布敷(ヌノシキ)村
本村往古大内郷ノ属ニシテ池ノ内谷八ヶ村ノ内タリ、前後分合変換ナシ
●疆域 東ハ同郡別所村、西ハ堀村ト各耕地ヲ以テ界シ、南ハ池ノ内下村ト山林或ハ池ノ内川中央ヲ以テ界シ、北ハ今田村ト山嶺ヲ劃ル
●幅員 東西十九町十一間、南北八町二間、面積欠ク
●管轄沿革 円満寺村誌ニ同シ
●里程 京都府庁ヨリ西北方本村元標ニ達スル凡二十三里、宮津支庁ヨリ東南方七里半余、四隣東別所村ヘ五町五十六間<実測>、西堀村ヘ十町二十間、南池ノ内下村ヘ八町十四間<実測>、舞鶴ヨリ一里二十七町
●地勢 東西ニ侈大ニシテ南北ニ倹縮ス、四境山岳囲繞シ、中部稍闢ケタリ、運輸便利薪炭乏シカラス
●地味 黒色ニシテ其質上等、稲・麦ニ可ニシテ桑・茶ニ宜シカラス、水利極メテ便ナレトモ、却テ水溢ノ患アリ
●税地 田<拾五町五反八畝拾七歩>、畑<三町七畝拾六歩>、宅地<壱町八反壱畝拾歩>、山<反別欠ク>、薮地<壱反三畝拾四歩>、総計<弐拾町六反弐拾七歩、外荒地弐町七反八畝拾八歩>
●字地 笠谷<村ノ西ニアリ、東西二十二間、南北一町二十八間>、前田<同上、東西一町五十間、南北四十六間>、山窪<村ノ中央ニアリ、東西一町、南北一町二間>、澤<村ノ南ニアリ、東西一町五間、南北五十間>、以上著名ノ字ヲ挙ク余ハ悉ク略ス
●貢租 地租<金弐百弐拾七円拾三銭四厘>、山税<金六円四銭五厘>、総計<金弐百三拾三円拾七銭九厘>
●戸数 本籍四十六戸<平民>、社三戸<村社一座、無格社二座>、総計四十九戸
●人数 男八十二口<平民>、女八十九口<平民>、総計百七十一口
●牛馬 牝牛十二頭
●山 五郎岳<高百八丈、周回分明ナラス、村ノ東ニアリ、嶺上ヨリ二分シ、北面ハ別所村ニ属シ、南ハ本村ニ属ス、山脈東南方丹波国何鹿郡於与岐村弥仙山ニ連ル、樹木茂生ス、登路一条、本村字五郎ヶ瀧ヨリ上ル昇リ四町余>、上ノ山<高五十六丈四尺、周回欠ク、村ノ北ニアリ、全山本村ニ属ス、山脈東方溝尻村三国嶽ニ連ル、樹木茂生ス、登路一条、字山窪ヨリ上ル昇リニ町余>
●川 池ノ内川<深所四尺、浅所二尺、巾十間、清ニシテ緩、東方別所村界ヨリ西方堀村界ニ入ル、長五町四十間>
●道路 村道<東方別所村界ヨリ西方堀村界ニ入ル、長十町二十間、巾一間半>
●堤塘 池ノ内川堤<池ノ内川ニ沿ヒ南北二堤アリ、村ノ東方別所村界ヨリ西方堀村界ニ至ル、南堤長三町五十七間、北堤長四町六間、馬踏各一間半、堤敷各四間、修繕費用ハ官民両途ニ属ス>
●瀧 五郎ヶ瀧<高二尺、巾五尺、東南同郡岸谷村山ヨリ来リ、本村東方字五郎ニ落ツ、下流池ノ内川ニ通ス>
●社 池姫神社<村社々地、東西二十七間、南北二十三間、面積二百七十三坪、村ノ南ニアリ、市杵嶋比賣命ヲ祭ル、祭日九月九日、境内老樹蓊欝タリ>、上宮神社<社地四覆欠ク、面積百八十三坪、本村字上ノ宮ニアリ、大水上神ヲ祭ル、由緒祭日共ニ詳ナラス、下同シ>、八坂神社<同上、面積十坪、本村字上山ニアリ、素盞鳴命ヲ祭ル、境内末社三座アリ>
●物産 桐実<七十石>、櫨実<千貫目>、已上舞鶴市街ニ販売ス
●民業 男女悉ク農ヲ専トス