免は、「川欠」「道成」「溝敷」「井料」などの控除を差し引いた村の公定生産高に乗じる年貢率。いずれも異常な高率であるから、実質的な村の収穫高が公定の村高より相当高かったか、あるいは農業外の生業に依存する村が多かったとみるべきか。
地図をみると、滝ヶ宇呂(11)と町分は例外としても、上漆原村(10)、岸谷村(10)、松尾村(10.2)、瀬崎村(9.3)、大丹生村(9.4)など、決して村高が多くない山林の村で高率の免が設定されており、行永村(6.5)、森村(7.5)など平地が多く村高が多い村では相対的に低率である。