竈役米は白杉村(6.6石)を筆頭に全村に課されている。
舞鶴市史史料編の解説(以下「解説」)は、西方寺村に伝わる「聞伝書」に、往古の百姓7株に対し竈役米7斗7升とあることから、「近世初頭の有力名請百姓(初期本百姓)に対し、一軒当たり1斗1升ずつを課したことに由来する小物成」としている。
しかし、「解説」の一覧表で計算しているとおり、村高わずか44石の白杉村の百姓株が60株にもなるのに対し、例えば領内最大の村高(1148石)の行永村で百姓株がわずか15株(竈役米1.65石)にしかならないように、村高と竈役米の相関関係がみられない。今後の検討が待たれる。