紙類の運上には、奉書、小奉書、端折紙があるが、奉書だけが銀納で他は物納である。
奉書(紙)は楮を原料とする厚手で純白の高級紙。上位の者が下位の者に意思を伝える奉書の様式に使われた。
城下町近村の伊佐津村(銀145匁)と、寺田村(銀171匁)など池内の山村の他に、堂奥の谷あいの村も少ないながら課されている。「解説」によると、伊佐津村の場合、11艘ある紙舟に対して1艘につき銀10匁7分5厘が課され、その他のすべての潰舟に対して銀26匁余りが課された。
伊佐津村は「丹後加佐郡旧語集」の同村の条に、「当村は紙漉と百姓入交り大村也」「細川藤孝公御代越前国より紙漉呼寄らる、今紙屋嘉左衛門先祖也」などとされている。