現在の福知山市大江町上野 (ウヘノ)。明治17年当時、戸数 35戸、社3戸、総計38戸、人数 男72口、女67口、総計139口。
・出典 京都府地誌32~35加佐郡村誌1~4、京都府庁文書、京都府立京都学・歴彩館所蔵
村誌
丹後國加佐郡上野(ウヘノ)村
本村古時河守郷ニ属ス、元算上(サンカミ)村ト称シ波美村ト一村タリシヲ、何レノ時カ分割シテ二村トナリ各村称ヲ立ツ
●疆域 東北二方ハ同郡北有路・二俣ノ両村ト野部山ヲ以テ界シ、西ハ金屋村ト又山嶺ヲ劃リ、南ハ波美村ト道路ヲ以テ界ス
●幅員 東西五町、南北十町、面積欠ク
●管轄沿革 円満寺村誌ニ同シ
●里程 京都府庁ヨリ西北方本村元標ニ達スル凡廿六里十町、宮津支庁ヨリ南方凡五里、四隣南波美村ヘ九町、東北有路村ヘ十七町、西金屋村ヘ八町、西北二俣村ヘ廿町余
●地勢 東西ニ延侈シ南北ニ短窄ス、闔境■嶂起伏ス、其南境ハ稍開ケタリ、運輸便利薪炭乏シカラス
●地味 其色赤、其質中等、稲・粱及ヒ菜蔬ニ宜シ、最桑樹ニ適ス、水利ハ甚不便ニシテ時々旱害アリ
●税地 田<拾弐町五反三畝壱歩>、畑<五丁七反弐畝壱歩>、宅地<壱丁七畝廿五歩>、山<反別欠ク>、総計<拾九町三反弐畝弐拾七歩、外荒地四畝九歩>
●字地 石代<村ノ南方ニアリ、東西一丁四十間、南北三丁>、平<同上、東西一丁五間、南北一丁二十間>、大平<同上、東西一丁二十間、南北一丁十間>、家ノ下<村ノ中央ニアリ、東西一丁二十間、南北一丁二十間>、迫<同上、東西一丁、南北一丁三十間>、寺田<村ノ西北ニアリ、東西二丁十間、南北四丁>、大谷<同上、東西三十間、南北五丁五十間>、原谷<同上、東西二十間、南北四丁三十間>、峠ノ奥<同上、東西二十間、南北二丁四十間>、竹谷<同上、東西三十間、南北二丁>、山神<同上、東西三十間、南北三丁二十間>、蛇谷<村ノ東ニアリ、東西五丁二十間、南北十間>、マトバ<同上、東西三十八間、南北一丁二十間>、菖蒲谷<村ノ西ニアリ、東西二丁二十間、南北五十間>、米山<同上、東西七丁三十間、南北三十間>、柏谷<同上、東西一丁四十間、南北六間>
●貢租 地租<金弐百七拾円五拾七銭五厘>、山税<金三拾弐銭壱厘>、総計<金弐百七拾円八拾九銭六厘>
●戸数 本籍三十五戸<平民>、社三戸<村社一座、無格社二座>、総計三十八戸
●人数 男七十二口<平民>、女六十七口<平民>、総計百三十九口
●牛馬 牡牛十六頭、牝牛二頭、総計十八頭
●山 野部(ノベ)山<高十丈、周回欠ク、村ノ北ニアリ、嶺上ヨリ三分シ、東面ハ北有路村ニ属シ、北面ハ二俣村ニ属シ、西南面ハ本村ニ属ス、山脈四方ニ連延ス、樹木生セス、登路二条、一ハ本村字赤坂ヨリ上ル昇リ十四丁、易ナリ、一ハ本村南方金屋村境ヨリ上ル昇リ八丁、嶮ナリ、渓水一条、山間ヨリ発シ屈曲南流シ波美村界ニ入ル、長十五丁、巾六尺
●道路 舞鶴道<村ノ西方金屋村境ヨリ東方北有路村境ニ至ル、長六丁余、巾四尺>
●掲示場<本村ノ東口ヨリ二丁ニアリ>
●社 上野(ウヘノ)社<村社々地、東西二十五間、南北三十八間、面積九百五十坪、村ノ東ニアリ、日本武命・八坂入姫命・息長足姫命ヲ合祀ス、古来ノ沿革詳ナラス、祭日九月五日、境内末社一座アリ>、愛宕神社<社地四履欠ク、面積十坪、村ノ東ニアリ、伊邪那美命・火産霊命ヲ祭ル、創建年代及ヒ由緒詳ナラス、以下同シ>、猿田彦神社<社地四履・面積欠ク、村ノ東ニアリ、猿田彦命ヲ祭ル>
●物産 桑<一千貫目>、筵<五百束>、近傍各村ニ販売ス
●民業 男<農ヲ業トシ傍ラ筵ヲ織ル者三十四戸>、女<各夫業ニ従フ>