おぐらじょう(別名 マサコ〔真迫〕山城)
・舞鶴市字小倉小字村奥他
・遺構---曲輪、竪堀、堀切、土橋
・占地---山頂 ・標高---325m ・比高---305m
・遺跡地図番号---410
この城は、志楽谷と祖母谷の間に東西に延びる山に位置する。北麓には鹿原の金剛院の谷が入り込み、南山麓には多門院の集落があり、東には両者を結ぶ道が南北に通っている。城郭はこの周辺では最高峰に位置し、展望は360度良好である。若丹国境に最も近い城館である。
主郭を中心として、尾根が四方に延びており、すべての尾根に曲輪が配置されている。曲輪構成をみると、北西尾根は幅10m程の堀切で遮断し、小規模の曲輪が少なくとも10数か所あり、北斜面を道が下っているので、この方向が大手になると考えたい。北東尾根にも小規模曲輪が10段以上あり、北の志楽谷を意識した城郭である。南西尾根は堂奥集落に延びており、二重の堀切で遮断し、両斜面に竪堀の敷設がみられる。南東尾根も二重の堀切で遮断しているが、この尾根は金剛院と多門院を結ぶ峠道につながっている。城主に関する記録はないが、小倉地区には「千原」(ちはら)という小字が残っている。