『加佐郡誌』の後編第7篇産業史は、河守上村の製糸業から佐波賀の枇杷山まで14項目の産業の歴史をまとめたものである。当時の主産業の一つ養蚕・製糸をはじめ、櫨・油桐・枇杷等の農林業、魦(いさざ)・鰤・魞(えり)漁・鮭等の漁業、煉瓦製造・鉱山の鉱工業、製塩など多様な産物が列挙される。出典の内、明治維新前の事蹟調査書とあるものは、参考書籍にもある明治44年(1911)京都府が調査した「維新前地方民政制度沿革調査書」と考えられる。また、各小学校が郷土史の一環として調査したものもある。
現在も舞鶴の風物詩、魦は高野川・伊佐津川・福井川・由良川の各河川で捕獲されていたことがわかる。
原典:『加佐郡誌』(京都府教育会加佐郡部会編、大正14、京都府教育会加佐郡部会)、国立国会図書館所蔵、info:ndljp/pid/1020163